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保育の水野恵子

参加した学生さんから感想をいただきました。

※本人に許可をいただき、原文をそのまま掲載しています。

 

2015.3.8  水野恵子先生「福祉国家スウェーデンの保育を考える」講演会の感想

 先日は貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。お話を聞いてますますスウェーデンの保育に魅力を感じました。

 現地で撮影した写真やエピソードを交えてお話をしてくださり、スウェーデンの保育の実際を知ることができました。ドキュメンテーションの内容も見せていただき、保育者を目指す者として自身の保育に活かしたいと思うような勉強になることがたくさんありました。

 講演会の中で先生が仰っていた「理想郷でなく本当にモデルがあるのだから」という言葉が非常に印象的でした。人口や国土、歴史的背景も異なる日本で今すぐにスウェーデンと同じ状況を目指すのは難しいかもしれませんが、ただ羨むだけでなく、子どもや養育者に寄り添った保育内容・制度とはどのようなものであるかを考え、声をあげていくことが今私達に求められていることなのではないかと思いました。

 このような素敵な機会を設けていただき、本当にありがとうございました。

 

著書:『スウェーデン 保育の今 テーマ活動とドキュメンテーション』

白石淑江・水野恵子(著)2013年7月かもがわ出版にて紹介されているジェーン デランデルさんと私(藤代洋行)もお会いしています。

 

ジェーンさんは、ストックホルム郊外にあるイェルフェラ・コミューンにあるフェーボーデン(牧舎)就学前学校の主任としてテーマ活動やドキュメンテーション作成の指導にあたってこられた方です。

そこで10年指導した後、2011年よりボトシルカ・コミューンのウッグラ(ふくろう)就学前学校に新たな挑戦の場を求め主任を経て、2014年12月より園長に昇格しました。

 

水野恵子講演会 参加申込書
2015年3月8日(日)14時~16時
水野恵子講演会「福祉国家スウェーデンの保育を考える」参加申込書です。
表面・裏面(参加申込書)ありますのでご確認ください。

※詳細は別添にて、ご確認ください。
水野恵子講演会 参加申込書.pdf
PDFファイル 501.6 KB

 

水野 恵子「福祉国家スウェーデンの保育を考える」講演会

スウェーデンの保育は、1歳から保育を受けたいすべての子どもに権利として保障されています。男性も女性も子育てと仕事の両立が当たり前の国です。

「スウェーデンの子どもは天国」だといわれるように豊かな保育環境の中で子どもは伸び伸びと成長しています。

 

ひるがえって日本では虐待や貧困が大きな問題になっています。また保育所に入園を希望しても入れない待機児童問題も深刻です。

2015年度より、「子ども・子育て支援新制度」がスタートします。現行の幼稚園・保育所・認定こども園に加えて、認可外保育施設も小規模保育・家庭的保育・事業所内保育・居宅訪問型保育と実に多様な保育施設が併存し、基準もさまざまで子どもに格差をもたらす制度です。保育予算はGDP比スウェーデンの5分の1です。

 

私たちは子どもに最善の保育を保障できる制度をつくっていかなければなりません。スウェーデンの保育をモデルとして日本の子どもの幸せのためにご一緒に考えていけたらと思います。

 

前半は水野さんの講義をします。後半は働く障害者団体協議会の藤代洋行がファシリテーターとして水野さんと参加者様とご一緒に双方向な意見交換(少子化対策・虐待・貧困問題など)をします。

子どもに最善の保育を保障できる制度を考えたいと思っていますので、保育・子育て支援に関心のある方お待ちしております。

 

水野 恵子 プロフィール

元日本女子体育大学スポーツ健康学科幼児発達学専攻教授。社会福祉法人「わかくさ会」かやの木保育園理事。白梅学園短大・名古屋芸術大学で非常勤として保育者養成に関わっている。

日本保育学会で発表し、スウェーデン社会研究所や北欧楽会などで講演活動。

『現代保育と子育て支援』八千代出版など出版・執筆活動をしている。

 

福祉国家・男女平等先進国のスウェーデンの「保育園」の実態を調査するなかで、以前訪問した旧東独やチェコ、デンマークよりもスウェーデンの優位性を実感。

その優位性をもたらしたものは何か、スウェーデンの保育の歴史や制度、経営主体の多様化などの研究に取り組んでいる。

 

水野恵子さんは、「保育園は子どもの発達と親の労働を保障する保育施設です。男女平等先進国のスウェーデンの保育施設の実態はどうなっているかリサーチのため初めて訪れたのが1995年、以来スウェーデンの保育のすばらしさに興味がますます強まり30回近く訪問しています。その都度、スウェーデンと日本、同じ地球上の子どもでこんなに格差があっていいのかとなんとかその格差を埋めたい。そのためには多くの人にスウェーデンの保育のすばらしさを実感してもらいたい」とおっしゃっていました。

 

これまで保育について研究をされて、「1985年初めて海外の保育施設を視察したのはソビエト連邦のモスクワとキエフでした。社会主義国の保育は制度も整備され、保育実践も多くの本が日本語訳で出版されていました。その後、チェコ・ポーランド・旧東独・ハンガリーの保育園や幼稚園を訪問し、日本のように1つのクラスに1つの保育室ではなく、食堂があったり、可愛いままごとの部屋が別にあったり、保育室の美的環境に感動しました。また木製のおもちゃが豊富にあり、いろいろな遊びのコーナーに分かれていて、子どもたちが自ら選択できるようになっています。

 

世界的に有名なイタリアのレッジョ エミリア市の保育も視察。アメリカ合衆国のテネシー州立大学付属幼稚園やヘッド・スタートの保育施設や富裕層の幼稚園などを視察する機会やニュージャージー州の幼稚園も視察しました。

アジアでは中国に4回、台湾・香港も視察し学ぶことも多くありました。

直近では、フランスの多様な保育施設を視察し、百聞は一見にしかずを実感しました。

北欧は男女平等先進国として有名ですが、デンマーク(コペンハーゲン・オーフス・オーデンセ)・フィンランドも行きましたが、保育の点ではやはりスウェーデンが優位に立っていると思いました」とのことです。

日本や海外の現場を見てきたからこそ「福祉国家のスウェーデン」にたどり着いたそうです。

 

私は日頃から、ただ頭が良いだけではなく、「本物を見れる目を養える環境づくり」が必要だと考えています。

そのためには、「生きる力」の基礎となる、心身の健康に関する領域「健康」、人とのかかわりに関する領域「人間関係」、身近な環境とのかかわりに関する領域「環境」、言葉の獲得に関する領域「言葉」、感性と表現に関する領域「表現」を在園中から、さまざまな体験を積み重ねる中で、達成に向かわせる環境にしていかなければならない気がします。

子どもは宝です。ひとりひとりの子どもを尊重し、すべての子どもが自尊心を持てる保育を実現していかなければなりません。

 

これからの日本は人口減少し、超高齢社会になるので、すでに手遅れですが我々が発信していかなければなりません。

水野さんからは、保育政策などの知恵をいただいています。

人間的にもすばらしい方なので講演会をお願いしました。

 

 

 

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