紋章上絵師 三代目 波戸場 承龍(Shoryu Hatoba)
・紋切形とは
江戸時代、家紋を庶民が持つようになると、人々は暖簾・風呂敷・手拭いなど、身の回りの物に家紋を入れるようになり、家紋は町に溢れていました。紋切形はそのような時代背景の中で生まれた紙切り遊びです。
昔、お母さんやお婆ちゃんが障子や襖にあいた穴に、紙を桜の花の形に切って貼っていたのを思い出す方もいるはず。昭和の初期までは学校教育の中の「手工」 という授業でも扱われ、小笠原流の礼儀作法の中にも女性の嗜みとして取り上げられていました。
遊び方は簡単で、折紙を折ったら、折り畳んだ折紙の上に型紙を貼り、型紙の線の通りにはさみやカッターで切り抜きます。切り終えたら型紙をはがし、そっと折り畳んだ折紙を開けば出来上がり。
少しの努力で大きな喜びを味わえるこの「紋切形」は、どなたでも楽しめる日本の伝統的な遊びです。
・遊び方
STEP1 紙を折る
一つ折から五つ折りまで、切りたい型紙に合わせて折ります。
少し難易度の高い三つ折りや五つ折りも、江戸時代より伝わる折り方で、分度器や定規を使わずに手順通りに折り進めることで、簡単に折ることが出来ます。
STEP2 型紙を貼る
STEP1で折った折紙の上に、切りたい型紙を乗せ、仮止めの糊で貼付けます。
STEP3 型紙の通りに切る
型紙の線の通りに折紙を切り抜きます。
細かいところやはさみで切れないところはカッターを使います。
STEP4 折紙を開く
すべての線を切り終えたら型紙をはがし、折り畳んである折紙をそっと開けば素敵な家紋の出来上がり。
紋章上絵師の仕事の中の「型彫り」から生まれた遊び「紋切形」を使って、家紋をもっと身近に感じていただきたいとの思いから、2011年に「紋切形セット」を発売しました。
このキットの中には、折紙50枚、型紙19種、折り方や遊び方の説明書が同封されており、仮止めの糊とはさみ、カッターを用意していただければ、すぐに遊ぶことが出来ます。
「紋切形キット」のご購入につきましては、波戸場 承龍 WEBサイトの「Product」ページ内にある「紋切形」よりご購入いただけます。
江戸時代の人々の遊びに触れていただけましたら幸いです。
不定期ではございますが、紋切形のワークショップを各地で開催しておりますので、ご興味のある方は、波戸場 承龍 WEBサイトの「News」をご覧ください。
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